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おしりは複雑でデリケート

肛門ができるまで

肛門は、胎児のときに、腸と、おしりのほうからくぼんできた皮膚とがつながってできたものです。

そのため、腸と皮膚という、血管や神経、伸縮性が異なる2つの組織が連結した、複雑でデリケートな構造となっています。

動画で見る「肛門ができるまで」

おしりと痛み

肛門とは、一般的に、おしりの穴から直腸側に向かって約3cmまでの管状部分のことを指します。そして、肛門の腸と皮膚の2つの組織が結合した連結部は、歯のようにギザギザしていることから、歯状線(しじょうせん)と呼ばれています。この歯状線より上の腸の部分は直腸粘膜、歯状線より下の皮膚部分は肛門上皮と呼ばれます。

肛門の組織

※イラストにマウスをのせると痛みを感じる部分と感じにくい部分がわかります。
肛門の組織
肛門の組織
肛門の組織

2つの組織の違い

  直腸粘膜 肛門上皮
どこにある?
・歯状線より上にある
・歯状線より下にある
違い(1)
・通常は痛みを感じない
痛みを感じとる知覚神経がほとんどない。このため、通常、内痔核(いぼ痔)は痛みを生じない。
・痛みを感じる
痛みを感じとる神経(知覚神経)が多く通っている。
違い(2)
・ある程度の伸縮性がある
・伸縮性があまりないため切れやすい
便秘などで硬い便が通ると切れやすい。このため裂肛(きれ痔)が生じる。
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便意をがまんできるのはなぜ?

私たちが、普段、スムーズに便意をコントロールできるのはなぜでしょうか?

肛門には、肛門括約筋という肛門を締めたりゆるめたりするための筋肉があります。肛門括約筋は、内肛門括約筋と外肛門括約筋に分かれており、この2つの筋肉のはたらきで、排便をコントロールしています。

さらに、「肛門のクッション」と呼ばれる部分が、普段、内肛門括約筋によって肛門が閉じているとき、水道のゴムパッキングのように、肛門をすき間なくピッタリと閉じるための役割を担っています。

便意をがまんできるのはなぜ?

2つの肛門括約筋

・内肛門括約筋:
普段、自分の意志とは関係なく肛門を締め付けているが、直腸に便が送られてくると自然にゆるむ。
・外肛門括約筋:
意識的に締めたりゆるめたりすることができる筋肉。

直腸に便が送られてきて自然に内肛門括約筋がゆるんでも、外肛門括約筋を意識的に締めることで、便をブロックできます。

急にトイレに行きたくなったときにがまんできるのは、外肛門括約筋のおかげです。

動画で見る「便意をがまんできる仕組み」

肛門のクッションと静脈叢

肛門のクッション部分には、細い血管の集まりである静脈叢(そう)があります。

この静脈叢は、痔の発症と大きく関係しています。排便時に強くいきんだり、便秘や下痢で肛門のクッション部分に大きな負担がかかると静脈叢の血液の流れが悪くなり(うっ血)、それが続くことで痔になるのです。

なぜうっ血する?

静脈叢はなぜ、うっ血するのでしょうか。それを理解するヒントは、“2足歩行”にあります。2本足で歩く人間は、4本足で歩く動物と違い、おしりの位置は心臓より下にあります。

このため、ほかの動物に比べ、肛門にかかる圧力は高くなります。さらに、血液が心臓に戻るときは重力に逆らうわけですから、戻りにくく、うっ血しやすいのです。

2本足で歩く人間と痔は、切っても切れない関係にあるといえそうです。

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